2022年は、6月から気温が40度を超える地点が出るという、大変な年となってしまいました。
例年だと8月がやはり最高気温が出やすい月だと思います。
また、40度になるのかぁ・・・と不安になってしまいますよね。
そして、2023年も7月から八王子で39度越えで、厳しい暑さとなっています。
暑いと、やはり気になってしまうのが、健康面。
特に、熱中症は生命の危機にまで及ぶとても危険な状態です。
そんな熱中症の恐怖に毎年さらされないために、長期的ではありますが、対策法を考えて、調べてみました。
筋肉の大切さが、いやというほど心に沁みましたので、是非、知っていただきたいです。
筋肉が関係している? ~熱中症対策~
熱中症の症状で、筋肉痛や筋肉のけいれん、が出ることがあります。なぜでしょう?
一見、関係がなさそうですが、深い関係があるのです。
実は、筋肉組織と脱水には密接な関係があります。
脱水状態になると、血管内の水分は減少しそれを補うため、細胞内から水分が血管内に移動するよう促します。
筋肉内の血管の水分が減少し、筋肉の伸縮力が低下すると、劣化したゴムのように切れやすくなってしまい、その損傷した筋肉を修復しようとするときに筋肉痛を生じます。
皆さんは、ご存じだと思いますが、次は熱中症とはどういうものか、少しご説明いたします。
熱中症とは
熱中症とは、高温多湿な環境に、私たちの身体が適応できないことで生じるさまざまな症状の総称です。
以下のような症状が出たら、熱中症になっている危険性があります。
症状1 めまいや顔のほてり
症状2 筋肉痛や筋肉のけいれん
症状3 体のだるさや吐き気(気持ちが悪い)
症状4 汗のかきかたがおかしい
症状5 体温が高い、皮ふの異常
症状6 呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
症状7 水分補給ができない
このような症状が出たときは熱中症を疑い、救急車を呼び、日陰に移動し腋窩や首筋を冷やしましょう。
近くに人がいれば、声をかけられたら声をかけましょう。決して我慢してはいけません。
次は、熱中症と筋肉の関係を詳しくご説明いたします。
筋肉は身体の水分貯蔵庫 ~熱中症対策~
南奈良総合医療センター・整形外科の富和清訓(とみわ・きよのり)先生は、
『筋肉組織は身体の水分貯蔵庫でもあり、全身の水分のうち筋肉組織に実に 43.4%の水分を貯蔵しています。
また、筋肉組織の76%は水分である一方で、脂肪組織では水分は15%しか存在しません。
いかに筋肉組織が水分の貯蔵庫になっているかが分かります。』
と仰っています。
筋肉組織と脱水には密接な関係があり、脱水状態になると、血管内の水分は減少しそれを補うため、細胞内から水分が血管内に移動するよう促します。
しかし筋肉量が減っているということは、全身の水分の予備備蓄量が低下していることになるので、脱水症への進行が早まり、重篤化につながる危険性が高まってしまいます。
熱中症回避のポイントは、☆筋肉☆ ~熱中症対策~
筋肉が痩せてしまうと、水分貯蔵量が少なくなるだけでなく、静脈を通じて心臓に戻る血液の勢い(筋ポンプ作用)が弱くなり、特に脚のむくみの原因になり、末梢の循環機能の低下を招きます。
その結果、冷却(放熱)の効率が低下して、熱中症リスクを上げてしまいます。
脚がむくみやすい人は、脱水症・熱中症になるリスクが上昇している状態と思っていた方がよいかもしれません。
また、熱中症の予防対策としては、『春からの「暑熱馴化」を目指す』ということがカギになります。
昨今の自粛期間のように、活動自体が少ない期間が長いと、筋力の低下は知らず知らずに進むことになります。
この一年、ほとんど運動をせず体重が増えている人は、水分の貯蔵庫である筋肉の量が減って、水分をあまり貯蔵できない脂肪が増えた状態になっているかもしれません。
日常のアクティビティが低下しているのに体重が変わらない人は筋肉量が減少した一方で脂肪が増え た 可能性が高いでしょう。
実は海外では巣籠(すごもり)による体重増加を意味する
Quarantine15(クアランティーン:防疫隔離)
という新種のパンデミックが起こっているという報告があります。
これは大学に入った新入生の体重が 15 ポンド (約 6.8kg)増えるという
Freshman15(フレッシュマン:新入生)
という言葉のパロディだそうです。
巣籠で運動しなければ脂肪が増えて体重増加というのは想像できますよね。
このようなことから、自粛以前の身体と比較すれば、格段に脱水症・熱中症になりやすくなってしまっている可能性が高いことが考えられます。
では、どのようにすれば予防できるのか? 調べてみました。
ロコモティブシンドロームを避けて、早め・強めのエクササイズで暑熱馴化を! ~熱中症対策~
高齢者の割合がさらに上昇しつつある昨今、要支援、要介護になる原因の第一位は、
運動器(身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経など)の機能低下。
コロナ禍の一年間にアクティビティの制限をしてきた結果として、
ロコモティブシンドローム(ロコモ)=運動器症候群(運動器の障害による移動機能の低下した状態)
のリスクが増大していることも危惧されています。
暖かくなり、コロナ禍(が)も少し落ち着きを見せる頃に、いざ動き出そうとした時、ガクンと運動機能の低下に気づくかもしれません。
アクティビティの低下した状態だからこそ、早めの暑熱馴化をする必要があります。
また、暑熱馴化のためのアクションは、運動器の機能低下の予防にも役立つはずです。
暑熱馴化とは
日本の夏のような高温多湿の環境で、体温調節を行う機能である汗を上手にかける身体に馴らしておく準備のことです。身体に熱がこもることから起こる熱中症を防ぐために、春のうちに是非取り組んでおきましょう。暑熱馴化をするためには?
参照:環境省 熱中症環境保健マニュアル 2018
方法としては、暑くなる前に、「やや暑い環境」で、「ややきつい」運動をおこなうこと。
1日30分を2週間程度行うと、身体が暑さに慣れてくると言われています。
脱水やロコモから身体を守る基本、「3・3・30」を習慣に
その暑熱馴化のために、今年は少し早めの春の時期に、筋力をアップさせることを意識したエクササイズを行うことをおすすめします。(タイミングがずれてしまい申し訳ありません)
運動の強度は、18 歳から 64 歳の大人で、3METs(メッツ)以上、息が弾み汗をかく程度の運動が目安。
METs(メッツ)とは、運動強度の単位で、安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1 として、その何倍のエネルギーを消費するか示した活動強度の指標です。
◎暑熱馴化のポイント◎・やや暑い環境・1 日 30 分・ややきつい運動を 2 週間程度行う
そこでススメなのは、「ラジオ体操」。
誰でもすぐに始められるラジオ体操は、しっかりやればかなりの運動になるのです。
ちなみに運動強度は、第一は、4.0 メッツ、第二が 4.5 メッツとされています。
天気の良い日は、屋外で行うと日差しを浴びることで、より暑熱馴化に役立つと考えられます。
また、ロコモティブシンドロームの予防としても、強度 3 メッツ以上の運動を 30 分間、週に 2 回程度行う運動習慣が推奨されています。
週に 2 回というのを思い出しやすく
「3 日に 1 回」とすれば、『3メッツ、3日、30分』と3が3つ並びます。
まさに脱水予防のための運動の『サンミツ』ですね。
是非、この運動のサンミツ:「3メッツ、3日に 1 回、30分」を習慣にしてください。
参照:厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013
運動後は筋肉を作るタンパク質を。脱水に気づかぬまま(かくれ脱水)で運動しないよう注意
運動で頑張った分は栄養補給も大切で、特に筋肉の源になるたんぱく質を多く含んだ食べ物と、吸収を助けてくれる糖質をその後の食事や補給で摂取するように心掛けましょう。
おススメは、”鮭おにぎり”、です。
タンパク質と糖質がとれ、抗酸化物質のアスタキサンチンも摂取することができます。
実に理想的な、合理的なメニューです。
他にも、鶏の胸肉を使った、サラダチキンなども良いです。
鶏の胸肉には、タンパク質はもちろん、疲労軽減に役立つと言われているイミダゾールジペプチドが含まれています。
もちろん、汗をかくので運動前後の水分補給もお忘れなく。
きちんと食事を3食摂り、運動後には水分補給を。大量の汗をかいた時は、経口補水液を摂るのも忘れないようにしましょう。
<参考>運動の強度例:健康づくりのための 運動基準 2006 改定のためのシステマティックレビュー
まとめ ~熱中症対策~
熱中症と筋肉の関係。
お分かりいただけましたでしょうか?
毎年、気温が40度に迫る環境では、予防が大変大事になると考えています。
筋肉は一日おきにトレーニングをしたとして、3か月から6か月くらい経たないと効果ははっきりと見えてきません。
特に腰周りから下半身の筋肉を重点的にトレーニングしていくと熱中症対策には効果的です。
大きな筋肉が集中していて、早期の貯蔵タンクとしての筋肉を作り上げることができるからです。
根気がいりますが、是非、いまから始めて頂いて、来年は熱中症になりにくい体で酷暑の夏を過ごせるようにしましょう!!
それから、エアコン等をうまく使い、夜間の寝ている間の熱中症にも注意しましょう。
皆様も、この記事をご参考にしていただき、生活や健康にお役立ていただければ幸いです。
本日も、お読みいただきありがとうございました。(^_-)-☆
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